目的

LOX-1は酸化LDLのスカベンジャーレセプターであり、酸化LDLと結合すると内皮障害や炎症を促進することが知られている。

本研究では、可溶性LOX-1(sLOX-1)が放出されるメカニズムと、sLOX-1の血中濃度とプラークの炎症と脳梗塞の将来リスクとの相関について調査した。

方法

sLOX-1の放出を調査には、内皮細胞と白血球を使用した。

血漿中sLOX-1濃度はMalm€o Diet and Cancer cohortの参加者4,703名分を測定した。このコホートでは、平均16.5年の追跡調査の間に257の被験者で梗塞が確認された。

また、頸動脈内膜剥離術が行われた202名の患者について、血漿中およびプラーク破砕液中のsLOX-1濃度、及び関連するプラーク炎症のリスク因子とsLOX-1濃度を比較調査した。

 

結果

母集団をsLOX-1濃度で三分位に分け、年齢と性別補正を行った状態で、第三三分位を高値群、第一三分位の低値群としたところ、脳梗塞のハザード比は1.75(95% CI, 1.28–2.39)であった。

また、頚動脈プラークが認められている群のsLOX-1高値群は、頚動脈プラークが認められていない群のsLOX-1低値群に比べるとハザード比が2.42であった (95% CI, 1.71–3.44) 。

さらに、頸動脈内膜剥離術患者では血漿中sLOX-1濃度とプラーク中sLOX-1濃度の間には強い相関が見られた(r=0.209, P=0.004)。

 

結論

本研究にて、sLOX-1は酸化LDLや炎症性サイトカインに反応して細胞から放出されること、sLOX-1濃度はプラークの炎症や将来の梗塞を予測する独立したリスク因子であるという結果が得られた。

さらに、プラーク中に含まれるsLOX-1は血管炎症に強く関与していることが示唆された。

今回の結果により、LOX-1が動脈硬化の重要な因子であるという報告を支持し、さらにLOX-1が心血管インターベンションのターゲットになりうる可能性が示唆された。

 

↓原文はこちら↓

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6405674/pdf/JAH3-8-e009874.pdf