目的と方法

従来より冠動脈疾患(CAD)の治療、予防には、アテローム保護効果を持つと考えられるHDLレベルを上昇させる治療法が検討されている。
しかし、内皮eNOSおよびeNOS依存性経路の活性化に対してのCAD患者のHDLがもたらす影響は不明である。

そこで、健常人と安定冠動脈患者(sCAD), 急性冠症候群(ACS)のHDLを単離し評価研究を行った。

結果と考察

健康な方のHDLはeNOSを活性化して血管拡張作用のあるNOの生産にプラスに作用していた。
しかしながら、CAD、 ACS を発症した方のHDLではその作用が低下していた。

また、NFκβの増加・内皮障害の亢進にも寄与しており、
これらのHDLには通常より多くのMDAが含まれていた。

次に、MDA-HDLが血管内皮障害を進行させるメカニズムについて調べると、
LOX-1に認識される、PKCβⅡを亢進してeNOSの働きを抑えることが判明した。

上記より、MDAにより修飾された変性HDLは、LOX-1受容体に認識され
血管内皮における炎症を亢進することが示唆された。
また、NOの生産を阻害することにより保護作用を低下させうることが示唆された。

注:LOX-1に関連する部分を抜粋しています。

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https://doi.org/10.1172/JCI42946