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酸化変性LDL(LAB)とは?

①動脈硬化の原因は酸化変性したLDL?

悪玉コレステロール(LDL)は動脈硬化の直接の原因ではない?

コレステロールとは三大栄養素(糖質・タンパク質・脂質)のひとつである脂質の仲間で、細胞増殖やホルモン合成など体にとっても重要な働きをしています。コレステロールは肝臓で生成され、血液に乗って身体中を移動します。しかし、コレステロールは、脂なので水に溶けることができません。

 

そのためアポたんぱくという物質と結合し血液中を移動します。その結合した状態を「リポたんぱく」と呼びます。「リポたんぱく」はカイロミクロン、VLDL、IDL、LDL、HDLと、その分子量(サイズ)によって5種類に分類されており、LDLは悪玉、HDLは善玉と表現されたりします。

 

しかし、両方ともリポたんぱくとしては同じ物質であり、LDLは肝臓で生成された栄養を各細胞へ届けたり、HDLは細胞中の不要な栄養を回収したりと両方とも体にとっては需要な働きをしております。

 

実際に、LDLが少ない場合でも脳梗塞や心筋梗塞を発症している症例も多く報告されており、近年の研究ではLDLの量よりも質が原因ではないかと考えられています。
LDLの質の劣化は”活性酸素”が原因?
では、何が問題なのか?近年の研究では「活性酸素」という概念が注目されています。ヒトが生きていく上で酸素は必須の物質です。私たちは呼吸によって日々、大量の酸素を体内に取り入れていますが、そのうちの約2%程度は「活性酸素」になるといわれています。
活性酸素はほかの物質を酸化させる力が強い酸素の形態であり、殺菌力が強く、細菌やウイルスの撃退といった重要な役目も果たしていると考えられています。
しかし、過剰になりすぎると正常な細胞や遺伝子も酸化させることがあり危険であると考えられています。また、活性酸素の増加は動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病といった様々な疾患の発症にも関与していると考えられております。
真の悪玉?超悪玉コレステロール酸化変性LDL(LAB)

LDL-cも体内で活性酸素によって修飾されます。それが酸化変性LDL(通称LAB:LOX-1 ligand containing apoBと略記)です。
LABは血管内皮に存在するLOX-1という分子と結合し動脈硬化を促進させる性質があります。別名、超悪玉コレステロール、変性LDL、酸化LDLなどとも呼ばれます。
LABは喫煙や不規則な食生活や慢性炎症などの影響で活性酸素が体内で増加する、もしくはカラダが本来が持っている酸化への抵抗力(抗酸化力)が下がることで増加していくと考えられています。

②酸化変性LDL(LAB)と動脈硬化のリスク因子の関係性


喫煙は動脈硬化のリスク因子であり、酸化変性LDL(LAB)の増加にもつながります。喫煙は体内の活性酸素を高めます。実際に、非喫煙者に比べて多量喫煙者(20本以上/日)では酸化変性LDL(LAB)が高くなる傾向があることが示されております。(*1)なお、禁煙の効果としてLOX-indexが低下したとする研究報告も発表されております。(*2)

メタボリックシンドロームは動脈硬化性疾患のリスクであり酸化変性LDL(LAB)の増加にもつながります。内臓脂肪の蓄積に伴い、耐糖能異常や脂質異常症、高血圧などが集積し、脂肪組織からは種々の炎症系サイトカイン(TNF-α,IL-6)や活性酸素が発生します。実際に、メタボリックシンドロームの診断基準を満たす方では酸化変性

LDL(LAB)が高くなることが報告されています。(*1)

暴飲暴食は動脈硬化のリスクとなります。なお、抗酸化作用のある食物の摂取は活性酸素の発生を抑え、酸化変性LDL(LAB)の改善にも効果があると考えられています。
【ビタミンC】キウイやイチゴ、トマト【アスタキサンチン】エビやカニ

【ビタミンE】ナッツ類、大豆【ポリフェノール】リンゴ、赤ワイン(*3)
【コエンザイムQ10】かつお、さば、いわし、ほうれん草

③LAB他の検査項目

酸化変性LDL(LAB)と様々な変性脂質
脂質はLDLやHDL以外にもその形状や修飾のされ方により、様々な名称で呼ばれます。LOX-index検査ではそういった数あるリポたんぱくの内、 LOX-1と結合する性質を持ち、ApoB抗体へ反応をする化学的修飾を受け物質をLABとして測定しています。(*3)


sd-LDL(スモールデンスLDL)はその名の通り、粒子径が小さく比重の重いLDLの別称です。正常なサイズのLDLよりも血管の中を長く漂う性質を持ち酸化されやすいと考えられています。sd-LDLの内、酸化修飾を受けたものはLABへと変化します。
MDA-LDL(マロンジアルデヒド化LDL)は現在、測定が可能な酸化LDLの一つです。高脂血症や糖尿病で高値を示すことが知られており、冠動脈疾患の二次発祥の予測因子として有用性が証明されています。複数存在する酸化LDLの一種類です。
善玉コレステロールと呼ばれるHDLも、修飾を受けると血管内皮に機能障害をもたらします。特に冠動脈疾患の患者では本来HDL中に多く存在する抗酸化酵素(PON1)の活性が低く変性しやすいと考えられています。(*5)変性したHDLはLOX-1に結合する性質を有します。※ApoBを含まないためLABの測定法では認識されません。
RLP-C(レムナントリポ蛋白コレステロール)は、血液中のリポたんぱくが分解され生じる生成物です。健常者では速やかに代謝され血中にはほとんど存在しませんが、代謝に障害があると増加します。動脈硬化の危険因子とされており、LOX-1にも結合する性質を有しています(*4)

1.K Uchida .et al.:Associations of atherosclerotic risk factors with oxidized low-density lipoprotein evaluated by LOX-1 ligand activity in healthy men. Clinical Chimica Acta 412 1643-1647 2011.

2.MKomiyama. et al.: Smoking cessation reduces the lectin-like low-density lipoprotein receptor index, an independent cardiovascular risk marker of vascular inflammation. Heart Vessels,21 July 2017.

3.T Samamura .et al.:LOX-1 in atherosclerotic disease. Clinica Chimica Acta. 440:157-163. 2015

4.Shin, H.K. et al.: Remnant lipoprotein particles induce apoptosis in endothelial cells by NAD(P)H oxidase-mediated production of superoxide and cytokines via lectin-like oxidized low-density lipoprotein receptor-1 activation: prevention by cilostazol. Circulation. 109:1022-8, 2004

5.Besler C et al.: Mechanisms underlying adverse effects of HDL on eNOS-activating pathways in patients with coronary artery disease. J Clin Invest. 121:2693-708, 2011

  • 信州大学医学部 血管生理学教室 酸化LDL受容体LOX-1研究
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