目的

新生児低酸素性虚血性脳症(nHIE)における重症度分類と予後のバイオマーカーとして可溶性LOX-1(sLOX-1)の有用性を評価する。

方法

在胎期間36週以上且つ出生体重1800g以上の新生児で、nHIE27例と健常45例を対象に調査を行った。

nHIE基準は、出生後60分以内の血液ガスでpHが7.0以下またはbase deficitが16mmol/L以上であること、Apgarスコア10分値が5以下または蘇生時間10分以上とした。

nHIEの重症度は修正Sarnat分類によって評価した。

血漿sLOX-1を測定し、退院時の一時的および神経学的症状(死亡、聴覚障害、麻痺など)を評価し、神経感覚障害のない新生児を無傷生存として分類した。

 

結果

生後6時間以内のsLOX-1濃度は、nHIEの重症度と相関していた。

sLOX-1は、中等度~重度のnHIE(中央値, 1017pg/mL; IQR, 553-1890pg/mL)と軽度のnHIE(中央値, 339pg/mL; IQR, 288-595pg/mL; P=.007)で有意に差異があった。

カットオフ値550pg/mL以上の時の感度と特異度は、それぞれ80.0%と83.3%だった。

低体温治療を受けた19人の新生児において、sLOX-1カットオフ値を1000pg/mL未満に定めた時、無傷生存(中央値, 761pg/mL; IQR, 533-1610pg/mL)と死亡または神経感覚障害(中央値, 1947pg/mL; IQR, 1325-2506pg/mL; P=.019)を特異度100%、陽性的中率100%で有意に分けた。

 

結論

これらの結果から、nHIEの重症度診断が容易になると共に、予後予測による適切な治療方法の選択が可能となる展望が示唆された。

 

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https://www.jpeds.com/article/S0022-3476%2818%2931543-9/fulltext