目的

可溶性レクチン様酸化低密度リポタンパク質受容体-1(sLOX-1)は、急性心筋梗塞(AMI)の重要なバイオマーカーである。一方、最も電気陰性な低密度リポタンパク質であるL5(最も陰性荷電の強いLDL分画=LAB)は、LOX-1を介してアテローム発生を誘発することが知られている。当研究では、 LOX-1の特性と、AMI患者の吸引された冠動脈血栓におけるL5の関わりを調査した。

方法

STセグメント上昇型心筋梗塞(STEMI; n = 32)または非STセグメント上昇型心筋梗塞(NSTEMI; n = 12)の患者へのカテーテル治療により採取された血栓と血漿を用いて検討を行った。

 

結果

LOX-1濃度は、STEMI患者の血栓の方がNSTEMI患者の血栓よりも高かった。すべての吸引血栓において、LOX-1はapoB100と共局在していた。

また、デコンボリューション顕微鏡法によりAMIにおけるL5の役割を調査したところ、L5の粒子ではなくL1(最小の電気陰性の低密度リポタンパク質)の粒子が血栓で保持されやすい凝集体を迅速に形成することが示された。ヒト単球THP-1細胞をL5またはL1で処理すると、L5が細胞接着を誘導し、用量依存的に単球のマクロファージへの分化を促進することが示された。

さらに、 AMI患者では、L5パーセンテージと血漿sLOX-1濃度は、NSTEMI患者(n = 25)およびsLOX-1よりもSTEMI患者(n = 33)で高く、sLOX-1濃度は、AMI患者のL5濃度と正の相関があった。

 

結論

LOX-1の発現量、sLOX-1と膜結合LOX-1の比率、およびsLOX-1の濃度、L5濃度は、非STセグメント上昇型心筋よりもSTEMI患者で高かった。 AMI患者では、L5の上昇がLOX-1発現亢進を促す可能性が示唆された。

 

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31928155