目的

LOX-1 (Lectin-like oxidized low-density lipoprotein receptor-1)は動脈硬化と急性冠症候群(ACS)の病態生理に関与している。可溶性LOX-1(sLOX-1)の測定は冠動脈疾患(CAD)のリスクと関連している。そのため、本研究では、安定型冠動脈疾患患者の血清中sLOX-1の値が主要心血管イベント(MACE)と相関しているかを調査した。

方法

安定型冠動脈疾患患者833名を2年間追跡した、他施設パイロット研究を実施した。血清中sLOX-1濃度はELISA法によって測定し、sLOX-1濃度とMACEとの相関関係はロジスティック回帰によって評価した。複雑病変の予測因子の評価は、カプランマイヤー生存曲線とコックス比例ハザードモデル、ロジスティック回帰分析を用いた。

 

結果

対象者833名のうち、75名がMACEを発症した。MACE発症者と非発症者のsLOX-1濃度を対象に多変量解析を行った結果、sLOX-1濃度はMACEの重要な予測因子であることが示唆された (OR(odds ratio) 2.07, 95%CI (confidence interval)1.52 – 2.82; P < 0.001)。また、コックス比例ハザードモデルでは、4つの補正パターンで高値群(sLOX-1 >0.91 ng/mL))、中値群(sLOX-1=0.48 – 0.91 ng/mL)、低値群(sLOX-1<0.48 ng/mL)、でMACE発症率を比較した。結果、sLOX-1濃度に比例してMACE発症率は有意に高かった(P < 0.001、下表6参照)。sLOX-1濃度は冠動脈複雑病変と独立した相関を示した(OR 2.32, 95%CI 1.81 – 2.97; P < 0.001)。

 

結論

sLOX-1濃度は冠動脈疾患患者の2年間のMACE発症と相関していた。さらに、MACE発生率は、sLOX-1濃度高値群が、低値群に比べて高かった。将来的に、sLOX-1とMACEの因果関係についての研究が進めば、sLOX-1はこれら冠動脈疾患患者のリスク階層化のバイオマーカーもしくは、二次予防のターゲット因子として活用されるようになることが期待される。

 

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30799974