背景

近年、代謝障害と腫瘍の発症および進行の間に強い相関関係が実証され、代謝標的に関する新しい治療戦略が支持されている。
OLR1遺伝子は、ox-LDLの認識、結合、および内在化に関与するLOX-1受容体タンパク質をコードする。
過去に、アテローム性動脈硬化におけるLOX-1受容体の役割がいくつかの研究によって明らかにされ、血管内皮細胞およびマクロファージにおける接着分子、炎症誘発性シグナル伝達経路、NF-kBおよびVEGFを含む血管新生促進タンパク質の発現の刺激作用が明らかになった。
近年、さまざまな腫瘍においてLOX-1のアップレギュレーションにより、がんの発症、進行、および転移への関係が示唆されている。

目的

このレビューでは、腫瘍の進行と転移におけるLOX-1の役割を概説し、VEGF誘導、HIF-1α活性化、およびMMP-9/MMP-2発現におけるその機能を証明し、膠芽腫、前立腺骨肉腫、結腸、乳房、肺、および膵臓の腫瘍における血管新生及び上皮間葉転換プロセスを押し上げる。
さらに、我々の研究は、WNT/APC/β-カテニン軸との相互作用におけるその役割の根拠として貢献し、散発性結腸がんの発症における新しい経路の明示に貢献した。

 

結果

高発現LOX-1担がんマウスにおけるボラチローム分析の適用は腫瘍の進展と相関しており、LOX-1のアップレギュレーションと個々の揮発性化合物の代謝変化との密接な関連を示唆しており、したがって腫瘍進行の単純非侵襲的代替モニタリング手法として実現できる可能性がある。
これらの発見は、腫瘍の進行、移動、浸潤、転移形成、および腫瘍関連の血管新生の調節因子としてのLOX-1が重要な働きをしており、今後の有望な治療標的になりうることを示唆している。

 

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https://www.nature.com/articles/s41417-020-00279-0