目的

LOX-1は、アテローム性動脈硬化の病因における重要な分子として知られている。現在、急性冠動脈症候群の患者では可溶性LOX-1(sLOX-1)の濃度が上昇することが示されているが、急性脳卒中患者に関する報告はない。本研究の目的は、異なる急性脳卒中患者におけるsLOX-1のレベルを評価するために行われた。

方法

脳卒中の発症後3日以内に入院した患者を対象として検証が行われた。(男性/女性:251/126、年齢:40-79歳)
内訳としては、虚血性脳卒中250人、脳内出血(ICH)127名であった。
脳卒中患者と健常対照との間の血清LOX-1レベルを脳卒中のタイプ別に従い比較した。
比較群には1989年から続いている吹田研究の健常者より心疾患の既往のない同年、同性の健常者を選択。

結果と結論

各群の血清sLOX-1を中央値比較したところ、以下のような結果が得られた。
・虚血性脳卒中に関して
→疾患群250名:526ng/L vs 健常群250名:486ng/L (p=0.009)
・脳内出血に関して
→疾患群127名:720ng/L vs 健常群127名:513 ng(P<0.001)
・アテローム血栓性脳梗塞に関して
→疾患群43名:641 ng/L vs 健常群43名:496 ng/L(p=0.02)

また、高sLOX-1値を1177ng/L以上と定義し、(全脳卒中患者の80%に対応する値)
多変量ロジスティック回帰分析を行った結果より虚血性脳卒中では [OR:3.80; 95%CI,1.86-7.74] 脳出血では [OR:5.97; 95%CI,2.13-16.77]という結果が得られた。
sLOX-1が脳卒中のためのバイオマーカーとして有用であることが示唆された。