自分が精密検査や治療が必要な状態にあることを自覚してもらうために、有用な検査だと思います。
LOX-index®を導入されたきっかけを教えてください。
まず、LOX-index® を導入する前は、頸動脈エコーとRLP-Cho(レムナント様リポ蛋白コレステロール)を併せて測定していました。しかし、なかなか臨床に結びつくようなデータが得られず、受診者への説明が十分にしにくく感じることがあり、その点を解決できるのではないかという期待です。
もう一点は、報告書です。非常にインパクトがあるため、視覚に訴えることで、自分が今どういう状態にあるのかを自覚してもらうために、とても良いきっかけになるという点です。
対象が、普段自覚症状がほとんど無く、症状が出たときには重症で手遅れになることも多い疾患ですから、自分が、精密検査や治療が必要な状態にあるのだということを自覚してもらうために、非常に有用だということが、今回の導入の理由です。
LOX-index®を、どのような方にお勧めされていますか?
まず予約された受診者の前年度のデータを全部チェックしております。その中で、生活習慣病がベースにあり、動脈硬化症が心配される方全員にご案内のパンフレットを入れさせて頂いております。
また、外来診療においても、選択的にお勧めすることもあります。既に治療中の糖尿病、高血圧等の生活習慣病をお持ちの方の中で、なかなか生活習慣の改善の行動変容につながらない方に、行動変容のきっかけに利用していただいています。
実際に行動変容につながるものですか?
当院の受診者の方々には行動変容までつながっているようです。
特に高リスクの判定がついた方については、外来にお越しいただき、頸動脈エコーなどの動脈硬化症関連の生理検査を実施し、そこで問題があるようであれば更にMRIの精密測定をご案内するなど、必要性をひとつひとつ丁寧に説明しながら診療しています。
ただ、思った以上に高リスクの方が多かったので、中リスクの方にまで手が回らないのが現状で、今後もう少し一般の開業医の先生方にも周知していただいて、ご説明していただけると良いと思っています。
受診者の声としてはいかがですか?
最初は気軽に受けてみた、値段的にもそんなに高額でもないので受けてみよう、そんな受診者がほとんどです。しかし、精密検査のきっかけになり、受けてみて良かったというのが多くの方の声です。
小林先生のご評価をいただけますか?
最大のポイントは、今まで行動変容に結びつかなかった方が、検査をきっかけにして行動変容に結びついているという点です。
将来、特定保健指導にも使えるようになると更に良いと思っています。受診者は自分でできることと他人に頼らなければならないことを分けて考える必要があります。
今現在治療中の方はLOX-index®が低いわけですが、それで安心してもらわないためにも経年的にもしくは半年毎にデータを追って行きたいですね。このようにデータを追える検査が他に無ければ、LOX-index®を測定していくしか無いと思います。
同じ高リスクでも、LABが高い方が圧倒的に多いわけです。そうすると、LDLコレステロールが高くなくてもLABが高い方にターゲットを絞った方がいいのかなとも思っています。例えば3ヶ月や半年毎に定期的に測定してみて、その傾向を追っていくのもいいのかなと思います。
早く日常の臨床検査に近い形でスクリーニング検査として利用していけるようになるといいですね。
この度はインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。
小林 亮 先生
1981年 近畿大学医学部卒
1983年 ベルランド病院
1993年 ベルランド総合病院 外科部長
1997年 愛風病院 院長
2004年 ベルタウン 施設長
2005年 ベルクリニック 所長
医療法人社団生長会 ベルクリニック
「ゆとり・やすらぎ・ていねい・いつまでも」をテーマに、"健康チェック=健康づくりの場"と考えています。ベルクリニックでは健康づくりの場にふさわしいリラックスした状態で、最新の健診システムと専門スタッフによる検査をうけていただける環境を整えています。また、健診後も継続的に健康を維持していただけるように、フォローアップ体制も充実させています。