Soluble lectin-like oxidized low-density lipoprotein receptor-1 predicts premature death in acute coronary syndromes
著者
Simon Kralerほか
出典
European Heart Journal, Volume 43, Issue 19, Pages 1849–1860 (2022)
背景
LOX-1及びsLOX-1はアテローム性動脈硬化の病因に関連している。そこで、急性冠症候群患者の死亡及びプラーク進行とsLOX-1との関連性について調査を行った。
方法
急性冠症候群患者(n=2735)及び慢性冠症候群患者(n=69)、性別と年齢が一致する健康な被験者(n=120)の血漿sLOX-1を収集した(n=2924)。
結果
sLOX-1値を測定した結果、急性冠症候群患者(35.98pg/mL)は、慢性冠症候群患者(2.00pg/mL)や健常者(2.00pg/mL)と比較して著しく高く(P<0.0001)、30日後[ハザード比(HR) 3.11]及び1年間後(HR 2.04)での死亡リスク増加と独立して関連していた。これはGRACE2.0で調整後も結果は一貫していた。
また、連続冠動脈内イメージング及びスタチン療法を受けている急性冠症候群患者において、冠動脈プラークの退縮を伴う患者でsLOX-1が有意に低下し(ΔsLOX-1:-4.64±1.80; P=0.0057)、プラークの進行を予測しうる識別能力があることが示された。
結論
血漿sLOX-1値は、急性冠症候群患者において増加し、その死亡リスクについて予測することが可能である。また、アテローム性動脈硬化患者において持続的に高いsLOX-1値が冠動脈プラークの進行と関連していることが見いだされた。