ST上昇型心筋梗塞の長期予後マーカーとして血漿sLOX-1が有用である可能性が示唆された

Plasma Soluble Lectin-Like Oxidized Low-Density Lipoprotein Receptor-1 as a Novel Prognostic Biomarker in Patients With ST-Segment Elevation Acute Myocardial Infarction.


Takumi Higuma,et al. Circulation Journal Vol.79, March 2015

背景

sLOX-1濃度は急性冠動脈疾患の予後マーカーである。しかし、急性期のsLOX-1血漿中濃度がST上昇型心筋梗塞の患者における長期予後と関連するかどうかは明らかにされていない。

方法と結果

ST上昇型心筋梗塞を発症した153名の患者を対象に、24時間以内に血漿sLOX-1の値を測定し、sLOX-1の中央値71pg/mlで2群に分け1156日の追跡調査を行った。
(低値群77人:高値群76人)本研究ではエンドポイントを死亡もしくは心血管イベントの再発と定義。
追跡の結果、sLOX-1が71pg/ml以上の方において全死因性死亡および心血管イベントの再発が著しく高くなるという結果が得られた。
・全死因性死亡(25.0% vs 3.9%,P<0.001) ・心血管イベントの再発(19.4% vs 6.5%,P=0.019) sLOX-1低値群と高値群では全死因性死亡で5.983倍のハザード比、心血管イベントで3.457倍というハザード比を示しており、 血漿sLOX-1の上昇がSTEMI後の長期予後マーカーとなる可能性が示唆された。

結論

救急時の血漿sLOX-1の上昇はSTEMI後の全死因性死亡や心血管イベントの長期予測マーカーとなる可能性が示唆された。

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