血清LOX-1は動脈瘤くも膜下出血後の遅延性脳虚血の有望な予測因子となる可能性がある

Serum soluble lectin‐like oxidized low‐density lipoprotein receptor‐1 as a biomarker of delayed cerebral ischemia after aneurysmal subarachnoid hemorrhage


Qun Linほか Brain Behav. 2020 Feb; 10(2): e01517.

目的

動脈瘤性くも膜下出血(aSAH)患者における、発症2週間以内の脳血流の低下は「遅延性脳虚血(DCI)」と呼ばれ、aSAH患者の予後と深い関連性がある。 LOX-1の発現は、aSAHの脳底動脈壁で発生している。 そこで、可溶性LOX-1(sLOX-1)レベルとaSAH後のDCI発症率との関係性を明らかにした。

材料と方法

125人のaSAH患者と125人の健常者を被験者とした。 血清sLOX-1レベルは、市販のELISAキットを使用して定量化された。 sLOX-1レベルとDCIの関係は、多変量ロジスティック回帰分析を用いて分析を行った。

結果

脳卒中患者の血清sLOX-1レベルは、健常者より有意に高かった(中央値:1,450.2対445.7 pg / ml、p <.001)。血清のs脳卒中患者の血清sLOX-1レベルは、健常者と比べより有意に高かった(中央値:1,450.2対445.7 pg / ml、p <.001)。また、血清のsLOX-1レベルは、WFNS分類スコア、Hunt-Hess 分類、およびmodified Fisher scores(それぞれ、r = .574、.625、および.569)と高い相関が認められた。
aSAH患者のうち42人の患者(33.6%)がDCIを罹患した。血清sLOX-1> 1,450.2 pg / ml、WFNSスコアおよびmodified Fisher scoresは、DCIの独立した予測因子であった。ROC曲線の下で、血清sLOX-1レベルはDCIに対して有意な識別能力を示した(曲線下面積0.825、95%信頼区間0.747-0.887)。
血清sLOX-1レベルのDCIに対する予測能力は、WFNSスコアおよびmodified Fisher scoresの予測能力と類似していた(両方ともp> .05)。さらに血清sLOX-1レベルは、DCIに対する予測能力を大幅に改善した(両方ともp <.05)。

結論

出血重症度と正の関連がある血清LOX-1は、aSAH後のDCIの有望な予測因子となる可能性が示された。

参考

カットオフポイント:1617 pg/mL、感度:76.2%、特異度:80.7%、AUC:0.825

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7010573/

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